「わかっちゃう! 知的財産用語 (特許,商標などの用語解説)」

さかな  わかっちゃう  知的財産用語
特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 
さかな


特許料金減免制度 (その1) 



[特許料金減免制度(とっきょりょうきんげんめんせいど)](その1)


 特許庁に支払う料金が、軽減,免除される制度のことです。


(1) 対象となる者は、「資金に乏しい個人」,「資金に乏しい法人」, 「研究開発型中小企業」,「大学等の研究者や大学」, 「技術移転機構(TLO)」,「公設試験研究機関等」等です。


 このホームページをご覧頂いているのは、個人又は中小企業の方がほとんどですので、今回は、「その1」として「資金に乏しい個人」について簡単に説明します。


(2) この制度を利用すると「資金の乏しい個人」は、特許庁に納付すべき料金の一部が「減免」され経済的負担を減らすことができます。

 
 ここで、「減免」とは「軽減」と「免除」のことです。

 そして、「軽減」とは「払う額を少なくすること」です。

 又、「免除」とは「払わなくてよいこと」です。


 この「減免制度」では、「軽減」,「免除」の他に、「猶予」も有ります。


 「猶予」とは「支払期限を遅くすること」です。この場合、直ぐには支払わなくてもよいのですが、いずれ支払う必要があります。つまり、支払時期を後にずらすことができるということです。


(3) 対象となる料金は、

  特許については

    「審査請求料」

    「第1〜3年分の特許料」、

  実用新案については

    「第1〜3年分の実用新案登録料」、

    「実用新案技術評価請求手数料」

  です。


 それ以外の料金、例えば「出願料」や「4年目以降の特許料」は対象となっていません。

 又、「意匠」や「商標」については対象となっていません。



(4) 制度を利用できる人と、それぞれの者が受けられる減免の内容は下記の通りです。


 (A) 「生活保護を受けいている人」

  「審査請求料」、
  「第1〜3年分の特許料」、
  「第1〜3年分の実用新案登録料」、
  「実用新案技術評価請求手数料」

   がいずれも免除となります。


 (B) 「市町村民税が課されていない人」

  「審査請求料」、
  「第1〜3年分の特許料」、
  「第1〜3年分の実用新案登録料」、
  「実用新案技術評価請求手数料」

   がいずれも免除となります。


 (C)「所得税が課されていない人」

  「審査請求料」と「実用新案技術評価請求手数料」が半額に軽減
  されます。

  「第1〜3年分の特許料」と「第1〜3年分の実用新案登録料」の
  支払が3年間猶予されます。



(4) この制度を利用する場合は、特許庁にその旨を申請する必要があります。


 例えば、出願審査請求の料金を免除して欲しい場合は、「審査請求料減免申請書」を提出します。


 この「審査請求料減免申請書」には、該当者であることを証明する書類、例えば「生活保護を受けていることを証明する書類」を添付します。


 そして、「出願審査請求書」にも「手数料に関する特記事項」の欄を設けて、減免を受ける旨を記載します。


(5) 詳細については、特許庁のホームページ をご覧下さい。


(次回は「資金に乏しい法人」と「研究開発型中小企業」について説明する予定です。)


               ☆                   ☆   

[関連事項と経験談]

(1) 平成16年4月に「出願審査請求料を2倍にする」という、大幅な値上げが行われました。


 費用は出願に記載した請求項の数によって異なりますが、例えば請求項の数が3の場合、

 平成16年3月末までの出願では  90,300円
だったのが

 平成16年4月以降の出願では  180,600円
となりました。

 資金に乏しい者にとっては、この大幅値上げは経済的に厳しいですね。

 この高額な審査請求料を減免してもらえれば ありがたいのですが実際には・・・。


(2) 資金に乏しい個人の負担を軽減するという考え方は素晴らしいと思います。

 でも実際には、個人がこの制度によりメリットを受けられる場合は 少ないと思います。


 個人がこの制度を利用するためには、上記のように

  「生活保護を受けいている」
  「市町村民税が課されていない」
  「所得税が課されていない」

といういずれかの条件をクリアする必要があります。


 しかしながら皆さんの周囲を見てください。

 これらのいずれかの条件に該当する人は あまり多くないと思います。

 それに、この条件に該当するということは、「生活も大変」という経済状態だと思います。そのような条件下において はたして「特許出願をしよう」と思う人がどの程度おられるでしょうか?


 そう思うと、個人が どの程度、この制度を利用しているのか ちょっと疑問です。



 その一方で、「大学」や「技術移転機構(TLO)」は、「軽減」の適用を受けるのが容易です。これは、大学での発明を促進しようとする産業政策だと思います。


 でも、個人的には大学やTLOに対して減免をするより、「資金に乏しい個人」に対する減免の適用をもっと広く認めて欲しいと思います。


(3)特許庁のホームページには、減免制度を利用できるかどうかについて、自分で簡単に判断できる 「簡易判定ページ」 が用意されています。




さかなわかっちゃう 知的財産用語のトップに戻る



メルマガ(2誌) 好評発行中

わかっちゃう! 知的財産用語  (マガジンID:0000098536)

メールマガジン登録
メールアドレス:
★       ★      ★

「商標・サービスマーク」 ど〜んと来い! (マガジンID:0000117418)

メールマガジン登録

メールアドレス:

Powered byまぐまぐ


さかな西川特許事務所のトップページに戻る



遠方からの商標登録出願(商標申請)、意匠出願のご依頼も承っております。

商標登録 の 西川特許事務所

西川特許事務所(オフィスニシカワ)
  所長 弁理士 西川 幸慶

住所  兵庫県西宮市東山台3丁目9−17
電話  0797-61-1841
FAX  0797-61-1821

Eメール  pat@jpat.net

 メールご意見等 ございましたら こちらまで どうぞ。