「わかっちゃう! 知的財産用語 (特許,商標などの用語解説)」

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特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 
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両罰規定 (りょうばつ きてい)

 
 [ 両罰規定(りょうばつ きてい)]


 「会社の従業者などが、会社の業務に関して違反行為をした場合は、その違反行為をした従業者を罰するだけでなく、会社にも刑を科す」とした規定のことです。



(1) 両罰規定は特許法,商標法などの知的財産に関する法律だけでなく、違反行為の防止を目的として、色々な法律に設けられています。



(2) 特許法では第201条の規定がこれに該当します。

 例えば従業者が会社の業務に関して「権利侵害の罪」、「詐欺行為の罪」、「虚偽表示の罪」に該当する行為をすれば、その会社も罰金刑を受けます。



(3) ちなみに、罰金の額ですが、特許法の両罰規定では
  「権利侵害の罪」については

  1億5千万円以下  と規定されています。


 かなり大きな額ですが、大きな会社は少々の罰金ではダメージが少なく、懲罰として十分に機能しないので、違反行為の防止としての効果が少ないと考えられます。


 そこで、抑止力としての効果を発揮するように、このような大きな額になっているのだそうです。



               ☆                     ☆



[関連事項と経験談]


(1) 何故、刑として「罰金刑」だけが採用されているかというと、法人に「懲役」や「禁錮」などの身体的な刑罰を科すことができないからです。

  (会社自体を刑務所に入れるわけにはいけませんよね)



(2) 今回の説明ではわかりやすいように典型的な例として「会社」と、その「従業者」を例にとって説明しましたが、自然人(法人ではなく普通の生きている人)である事業主にも両罰規定の適用はあります。




(3) 両罰規定と聞くと、いつも思い出すのが、「秘書がやりました」という昔の流行語です。


 昔、政治家が不祥事を起こしたときに「秘書がやりました」と弁明されることがあり、この「秘書がやりました」というフレーズが一時的に流行語になったことがありました。

 (若い人は知らないかもしれませんね・・・。)


 特許侵害事件では上記のように両罰規定があるので、「秘書が勝手にやりました。会社は何も知りません。」なんて言い訳は通じません。
 (もちろん業務と関係なければ話は別ですが・・)



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