さかな  わかっちゃう  知的財産用語
特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 
さかな


職務  (しょくむ)


 職務とは、

 正確でないかもしれませんが簡単に言うと、
 「従業員等が自分で担当している仕事(任務)」 のことです。


 「職務」上なされた発明や、「職務」上作成された著作物等に関する権利の取り扱いについては特許法や著作権法で規定されています。

 (従業員等が職務上した発明や職務上作った著作物については会社側にも所定の権利が認められます。具体的な内容については機会があれば順次説明したいと思っています。)


 私は特許や著作権などの相談を受けることが多いのですが、最近は職務発明や職務著作について相談を受けることが増えたように思います。

 その中で気になるのは「職務」と「業務」とを混同して解釈されている方が意外とたくさんおられることです。 そこで 今回は 「職務」と「業務」の違いについて簡単に説明しておこうと思います。


 「業務」は、会社が事業や商売としてやっている仕事全般です。

 例えば、電気機器のメーカーでしたら、その会社の業務は「電気機器の製造,販売」等になるでしょう。

 ちなみに、会社の主な業務内容は「定款 (ていかん : 会社・公益法人等の社団法人の目的・組織、業務執行に関する規則を記載した文書)」を見ればわかります。


 一方、「職務」は、会社の「業務」の中で、個々の従業員等が担当している仕事です。ですから、「職務」は「業務」に比べると狭い範囲の仕事となります。


 例えば同じ電気機器のメーカーに勤務している従業員でも部署やポジションにより仕事の内容は異なりますね。


 メーカーですから当然「電気機器の製作」の仕事をしている人がいますが、「研究開発」の仕事をしている人もいます。それ以外にも「受付」の仕事、「経理」の仕事、「社長の運転手」の仕事、「営業」の仕事、「広報」」の仕事、「秘書」の仕事・・・・・等、たくさんの仕事が有り、従業員はそれを分担して働いています。


 ここで、「受付」の仕事をしている人の職務は「受付」であって、普通は発明をすることが期待される職務ではありません。 ですから、「受付」の仕事をしている人が電気機器に関する発明をしても、「職務」とは直接関係ないので原則として特許法に規定する「職務発明」にはなりません。
 (但し、「過去の職務」について下記の「関連事項」を参照してください。」)


 「職務上」の発明や著作物について考えるときは、本当に「職務」を遂行した結果得られた発明や著作物なのかどうかを検討する必要があります。「職務」上できたものであるか否かで扱いは大きく異なるからです。

           *                       *


 [関連事項]

 同じ会社に勤務していても人事異動などで部署が変わることがありますね。 特許法では「過去の職務」に属する発明も職務発明となると規定しています。


 例えば、上記の電気機器メーカーを例にとると、「受付」の前に「開発部門」で職務として電気機器を開発していたような場合は、たとえ「受付」の方が電気機器の発明をしたような場合でも「職務発明」となることがあります。






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